大会長挨拶


 まず、日本多機能型精神科診療所会員のみなさまに第6回研究会が1年延期となりましたことをお詫び申し上げます。この1年間で多機能型診療所を取り巻く環境は大きく変わりました。
 通所系のデイケア等は極めて厳しい運営を強いられ、他方、訪問系の訪問診療・訪問看護などはそれほど影響なく運営されているようです。からだに直接触れる機会の少ない精神科領域では確実にオンライン診療が進むはずで、ポストコロナ時代に向け、戦略の再構築を急がねばなりません。柱となる事業を複数用意し、多角化を進め、2年毎の診療報酬改定に翻弄されず、新たな事業、収入源を確保する方法とは何か。「患者さん」のためを最優先し、一方経営を安定させる手段とは。 
 今回のテーマは「コロナ禍を凌ぐ多機能型精神科診療所」としました。完全オンラインの開催ですので、時間を3時間と限定し、全国の多機能型診療所5カ所の報告の形を取り、将来の進むべき道を探ります。コロナ禍でどのような対応をしたのか、患者さんの満足度はなど、これからのヒントが得られるはずです。 
 全国のコロナ感染者数が1月13日に30万人、2月4日には40万人を超えました。増加ペースは幾分か鈍化したとはいえ、死者数の増加は収まらず、今後も国は経済回復と感染抑制という両立困難なジレンマに苛まれながら、綱渡りの運営を続けることになります。急速に増えた死者数に国民が我慢できるか、コロナ抗体陽性率が1%以下という現状を考えると、コロナワクチン接種への期待は大きく、ひとたび接種が始まり、接種者が国民の6、7割を超えれば集団免疫が獲得され、コロナ発症者は減じるともいわれています。コロナを超え、東京オリンピック・パラリンピックの開催にこぎ着け、成功裡に終えられるよう頑張りましょう。 
 たとえどんな時代になろうとも、またどんな環境になろうとも、患者さんに求められる医療を提供し続けることができれば、生き残って行けるはずです。本来であれば、旧交を温め、明日へのヒントを得られたはずの前夜祭も諦めます。研究会がリアルで開催できなくとも、充実し、何か手がかりが得られるような研究会にしたいと思います。みなさま、どうぞ奮ってご参加ください。

2021年2月  斎藤 庸男(さいとうクリニック院長)